ゲームボーイのソフトにはセーブができるものがたくさんあります。
もう有名な話ですが、あれはカセットに『電池』が内蔵されていて、本体の電源を切っても完全に電気が途絶えないようにバックアップ電源として動作してくれているんです。

金欠ぱとろん
そのうちフラッシュメモリが搭載されてボタン電池は使われなくなっていきました。
発売から数十年……そんな電池もさすがに力尽き、ほとんどのカセットでセーブができなくなっています。
しかし、専用の工具さえあれば簡単に電池交換ができますので、是非本記事を参考にしていただければと思います。
用意するもの
ゲームボーイカセット
ゲームボーイのカセットです。
後々わかるのですが、『スーパーマリオランド』はセーブ機能がないため、ボタン電池は入っていませんでした。
ボタン電池
Amazonで買ったEEMBのリチウムボタン電池(CR2025)です。
10個入りで1200円ほどですので120円/個です。
もともと標準で取り付けられているボタン電池よりも少し大きいですが、ちゃんと基板には取りつく大きさです。
その他ツール
その他に今回の作業にはこれらのツールも使用しました。
分解
ネジが特殊なやつなので『専用ドライバー』を用意するか、『精密ドライバーセット』を用意してください。
カセットを分解していきます。
といっても非常に簡単で、カセット裏側のネジを1つ外すだけです。
電池交換
基板右上にボタン電池がはんだ付けされていますので、外していきましょう。
まずはフラックスを塗っていきます。
はんだ吸い取り線ではんだを除去していきます。
これであらかたのはんだが除去できます。
負(ー)極側から取り外します。(その方がやりやすいかと思います。)
ピンセットなどで負(ー)極側端子を掴み、こてを基板のランドに押し当てるようにして熱を加えます。
十分に熱が加われば「ペンッ」と端子が外れます。
正(+)極側についても左写真のように、こてで温めて基板から外していきます。
パワーの低いはんだごてを使用している場合、こての熱がボタン電池の方に逃げてしまって中々はんだが溶けてくれないかもしれません。
長時間基板のランドに熱をかけ続けるとランドが剥離する可能性もありますので、なるべくハイパワーのはんだごてで迅速に行ってください。
ランドをキレイにするために、まずフラックスを塗ります。
IPAを垂らして平筆でゴシゴシすることでフラックスを清掃していきます。
ランドに予備はんだをつけるために、またフラックスを塗ります。
ボタン電池のターミナルの方にも予備はんだをしておきます。
ボタン電池を置きます。
電池はウラ向き(+極が下、−極が上)にして+側が左、-側が右になるように配置して下さい。
ターミナルをはんだ付けしていきます。
このときもハイパワー(70W以上)のはんだごてをおすすめします。
カセットの読み取り端子をIPAで掃除していきます。
抜き差ししまくってて金属がボロボロになってるので、気休めにしかなりませんが……。
動作確認
さあそれではちゃんとセーブできるのか確認していきます。
電池を一度外したのでセーブデータはなく初期状態になっています。
一度電源OFFして再度電源ONしてみます。
ちゃんとセーブされていました!
まとめ
ポイントはボタン電池の『取り外し』と『取り付け』のはんだ作業だと感じました。
なので、パワーのあるはんだごてさえ使えば電子工作初心者でも簡単にできると思います。
Switch Onlineでゲームボーイソフトをプレイするのもいいですが、実際にゲームボーイでプレイして当時を懐かしむのも乙なものですよ。